昭和中期(23年~40年)時代

昭和23年(1948)

主な海難等の動き

なし

法律等の動き

2月29日 海難審判法施行
4月27日 海上保安庁法公布

組織等の動き

2月29日 海員審判所を廃止、海難審判所設置
高等海難審判所は東京に、地方海難審判所は、小樽、横浜、大阪、門司に設置、理事官は各海難審判所に置かれる
5月1日 海上保安庁発足、海難審判所理事官、海難審判所から海上保安庁へ移管される
海難審判所理事官を海難審判理事官に改め、所属も高等海難審判所から海上保安庁保安局 に、地方海難審判所から海上保安本部保安部に移される
8月26日 大阪地方海難審判所が大阪市より神戸市に移転、神戸地方海難審判所となる

世の中の動き

8月15日 大韓民国樹立
9月9日 朝鮮民主主義人民共和国樹立
プロ野球復活
昭和24年(1949)

主な海難等の動き

6月1日 汽船花咲丸 遭難事件発生(25tk008) (船体全損)、10月5日 第一審(横浜)裁決、25年9月11日 二審裁決言渡、指定海難関係人へ勧告裁決を行う
6月21日 機船青葉丸遭難事件発生 (24kb134)(周防灘でデラ台風に遭遇)、船体沈没、死亡・不明 141人、26年9月7 日裁決言渡(神戸地方海難審判庁)
11月12日 機船美島丸沈没事件発生 (25tk027)(播磨灘)、船体沈没・死者・不明52 人、25年7月19日 裁決言渡(神戸地方海難審判庁)、 26年11月22日 第二審裁決言渡

法律等の動き

5月30日 水先法公布(8月29日施行)
5月30日 海難審判法一部改正(水先法附則7項による改正)、本法に規定する水先人の懲戒規定を整備
5月31日 運輸省設置法公布、海難審判法改正(組織の名称変更等)
6月1日 国家行政組織法、運輸省設置法、海難審判法改正法、各施行、海難審判庁設置、運輸省の外局として正式に発足する
12月1日 船舶法改正公布、船舶国籍証書の検認制度創設

組織等の動き

3月31日 高等海難審判所、新設の単独庁舎へ移転
6月1日 海難審判庁設置、運輸省の外局として正式に発足する(海難審判所から海難審判庁 へ名称を改めた) また、海上保安庁の組織も改正され、理事官は、中央・地方の保安部 に理事官室が設けられ、そこに置かれる
6月10日 小樽地方海難審判庁、新設の単独庁舎へ移転
9月6日 海難審判庁の外郭団体として日本海難防止会設立、海難防止に関する研究、海難審判庁裁決録の刊行等を行う

世の中の動き

6月1日 日本国有鉄道、専売公社設置
10月1日 中華人民共和国成立
11月3日 湯川秀樹氏、日本人初のノーベル賞
昭和25年(1950)

主な海難等の動き

なし

法律等の動き

なし

組織等の動き

5月23日 海上保安庁組織改正、海難審判法一部改正
理事官が所属する 「保安部」を「海事検査部」に改正、関連海難審判 法を一部改正
6月22日 海難審判法施行規則も一部改正
7月7日 海難審判法一部改正審議会開催証拠規定について刑事訴訟法準用を廃し、独立の規定を設ける等、審 判手続きの改善を 10月23日まで検討

世の中の動き

8月10日 警察予備隊令公布
昭和26年(1951)

主な海難等の動き

7月3日 最高裁判所、「汽船石狩丸・機附帆船大徳丸衝突事件」につ き上告棄却の判決(最初の訴訟事件、原告の関係人が提訴し、東京高等裁判所の請求棄 却の判決を不服とし最高裁判所へ上告していたもの)
9月27日 機船第六関丸汽船満珠丸衝突事件、第二審裁決言渡(受審人、指定海難関係人以外の第三者に原因の責任を求めた事 件)
12月14日 東京高等裁判所、汽船宗像丸・魚舟日の出丸衝突事件で請求棄却の判決、原告、最高裁判所へ上告

法律等の動き

4月2日 海難審判法一部改正
海難審判庁審判官の任命権者を国家公務員の規定に準拠して「運輸大臣」から「高等海難審判庁長官」に改正、また証拠規定について刑事訴訟 法準用を廃し、審判法独自の規定を定める等の改正、海難審判法施行令、規則の一部についても改正(海難審判法改正審議会の答申による)
4月16日 船舶職員法公布(10月15日施行)、海難審判法一部改正
船舶職員法の公布に伴い、懲戒の種類を「免許の取消」・「業務の停止」・「戒告」に改め、「海技免状を受有する者」を 「海技従事者」に改正(なお、旧船舶職員法は廃止)

組織等の動き

2月23日 小樽地方海難審判庁が函館市へ移転、函館地方海難審判庁となる
5月 門司地方海難審判庁、単独庁舎新設、移転
12月10日 日本海難防止会、社団法人へ改組

世の中の動き

4月1日 琉球臨時中央政府成立
9月8日 日米安全保障条約調印
昭和27年(1952)

主な海難等の動き

12月16日 東京高等裁判所、機船第六関丸・汽船満珠丸衝突事件で、裁決取消しの判決言渡、高等海難審判 庁は直ちに最高裁判所へ上告(最初の取消し判決)

法律等の動き

4月26日 海上保安庁組織改正、海難審判法一部改正
6月10日 船舶安全法改正公布
SOLAS条約加入にあたり、一定の船舶へ無線電話の備付けを義務付ける
7月31日 運輸省設置法改正公布(8月1日施行)
海難審判法一部改正
海難審判庁の組織の中へ「海難審判庁理事官」の官職を加え、その職務 の内容等を規定した

組織等の動き

4月26日 海難審判理事所が海上保安庁の附属機関として設置される
7月31日 海上保安庁の附属機関であった海難審判理事所が海難審判庁の所属機関となる
8月1日 海難審判理事所が海難審判庁の機関として発足、各海難審判理事所が各海難審判庁に対応して置かれる

世の中の動き

4月28日 日米安全保障条約発効
昭和28年(1953)

主な海難等の動き

なし

法律等の動き

6月1日 船舶職員法改正公布
船舶職員の配乗表の実情に即応した改正等
12月31日 海難審判法一部改正(沖縄復帰に伴う改正)
沖縄に地方海難審判庁の支部を設ける規定及びその所掌事務等を規定した

組織等の動き

8月1日 海上衝突予防法公布(29年1月1日施行)
1948年の国際海上衝突予防規則の改正に対応し、灯火・形象物・航法等に関する規程を全面改正して整備

世の中の動き

4月2日 日米友好通商航海条約調印
昭和29年(1954)

主な海難等の動き

9月26日 汽船洞爺丸遭難事件発生 (31tk021)(函館港)
台風15号により青函連絡船「洞爺丸」が沈没、1,155人が死亡
「十勝丸」「日高丸」「北見丸」「第十一青函丸」 の連絡船も転覆、沈没(31tk004)し275人が死亡、我が国海難史上最大の海難となる
11月27日 函館地方海難審判理事所、審判開始申立 30年2月15日 函館地方海難審判庁、第1回審判開廷
30年7月15日 結審 (延べ30回開廷
30年9月22日 裁決言渡、国鉄へ勧告 31年4月6日 高等海難審判庁にて第二審の第1回審判開廷
33年4月2日 第二審審判結審(延べ 48回開廷)
34年2月9日 第二審裁決言渡
34年3月9日 指定海難関係人の国鉄、東京高等裁判所へ提訴
10月8日 機船内郷丸遭難事件発生 (29yh133)(相模湖、小型旅客船の旅客過載による海難)修学旅行生 (中学生)22人死亡
30年3月4日 裁決言渡・確定(横浜地方海難審判庁)船舶所有者・船頭に勧告

法律等の動き

なし

組織等の動き

11月1日 仙台市に横浜地方海難審判庁仙台支部、横浜地方海難審判理事所仙台支所が、また、広島市に神戸地方海難審判庁広島支部、神戸地方海難審判理事所広島支所がそれぞれ 設置される

世の中の動き

1月6日 青函トンネル起工式
3月1日 米国、ビキニ環礁で水爆実験
昭和30年(1955)

主な海難等の動き

5月11日 汽船紫雲丸機船第三宇高丸衝突事件発生(31tk011)(高 松沖)紫雲丸沈没、168人死亡・122人負傷
31年1月17日 裁決言渡(神戸地方海難審判庁)
35年8月29日 第二審裁決言渡

法律等の動き

なし

組織等の動き

なし

世の中の動き

7月29日 自動車損害賠償保障法公布、強制保険制度始まる
昭和31年(1956)

主な海難等の動き

なし

法律等の動き

なし

組織等の動き

1月 函館地方海難審判庁、同理事所が市公会堂の仮庁舎から単独の独立庁舎(元町の市公会堂の隣へ新設)へ移転
7月1日 長崎市に門司地方海難審判庁長崎支部、門司地方海難理事所長崎支所が設置される

世の中の動き

7月1日 気象庁発足
12月18日 日本、国連に加盟
昭和32年(1957)

主な海難等の動き

2月21日 最高裁判 所、汽船宗像丸・魚舟日の出丸衝突事件で上告棄却の判決
4月12日 機船第五北川丸沈没事件発生(33tk007)(三原瀬戸、観光船の海難として反 響呼ぶ)船体沈没・113人死亡・49人負傷
9月19日 裁決言渡 (神戸審判庁広島支部)
34年3月26日 第二審裁決言渡
6月12日 東京高等裁判所、汽船カルテックス・ターバン・機船アトラタ衝突事件で請求棄却の判決、原告、最高裁判所へ上告

法律等の動き

5月20日 船舶職員法改正公布
船舶職員の種類・資格等の改正

組織等の動き

なし

世の中の動き

12月28日 カラーテレビの実験局開局
昭和33年(1958)

主な海難等の動き

1月26日 機船南海丸遭難事件発生(33kb049)(紀伊水道で荒天に遭遇消息を絶ち旅客船の相次ぐ重大海難で関心高まる)船体沈没・167人死亡
35年3月8日 裁決言渡・確定(神戸地方海難審判庁)
3月31日 汽船カロニア防波堤衝突事件発生(33yh059)(横浜港世界一周の観光船の事故として話題となる)、船首部破口
12月20日 裁決言渡・確定(横浜地方海難審判庁)

法律等の動き

4月1日 副理事官制度が導入される
各地方海難審判理事所(函館・横浜・神戸・門司) と各支所(仙台・広島・長崎)に副理事官各1名が新設される。 海難審判法 一部改正し、施行令・施行規則・事務章程・組織・規則等の一部を改正、所要の整備を行う

組織等の動き

6月 横浜地方海難審判庁仙台支部、同理事所仙台支所が単独の独立庁舎(旧陸軍兵舎・現在の五輪町)に移転
8月1日 (社)日本海難防止協会設立、海難審判庁の外郭団体「日本海難防止会」は翌34 年3月20日解散

世の中の動き

3月9日 関門国道トンネル開通
12月23日 東京タワ ー完工
昭和34年(1959)

主な海難等の動き

なし

法律等の動き

なし

組織等の動き

1月27日 海難審判研究会(任意団体)設立
海難審判の研究及び海難審判庁裁決録の刊行事業を行う
8月14日(社)海難審判扶助協会設立公正妥当な海難審判維持のため、船員擁護の見地から資力の乏しい船 員へ海事補佐人を斡旋することを目的

世の中の動き

9月26日 伊勢湾台風(明治以降最大)、中部地方で猛威、死者5,041人・50万戸被害
岩戸景気
昭和35年(1960)

主な海難等の動き

なし

法律等の動き

なし

組織等の動き

4月1日 仙台、広島、長崎の地方海難審判庁支部及び同理事所支所が地方海難審判庁及び 地方海難審判理事所に昇格
8月29日 神戸地方海難審判庁、同理事所がそれまでの単独庁舎から合同庁舎へ移転(所在 地は生田区海岸通りで同じ)

世の中の動き

1月19日 日米新安保条約調印
昭和36年(1961)

主な海難等の動き

3月15日 最高裁判所、機船第六関丸・汽船満珠丸衝 突事件で原判決破棄、被上告人訴却下の判決
4月20日 最高裁判所、汽船洞爺丸遭難事件で上告棄却の判決
十勝丸他2隻の遭難事件についても上告棄却の判決
4月28日 最高裁判所、汽船カルテックス・ターバン・機船アトランタ衝突事件で上告棄却の判決
9月25日 東京高等裁判所、機船文丸・汽船第二拓南丸衝突事件で原告に関する部分の取消し判決、高等海難審判庁、上告

法律等の動き

なし

組織等の動き

4月1日 速記士制度が導入される

世の中の動き

4月1日 海技専門学 院、海技大学校と改称
4月12日 ソ連、史上初の有人衛星「ヴォストーク(飛行士ガガーリン)」の打上げ回収に成功
8月13日 東独政府、ベルリン封鎖で壁構築
9月16日 第2室戸台風、近畿に大被害、死者202人、家屋98万戸・船舶 3,658隻被害
昭和37年(1962)

主な海難等の動き

11月18日 機船第一宗像丸機船タラルド・ブロビーグ 衝突事件発生(39tk041)(京 浜運河)41人死亡 39年6月10日 裁決言渡(横浜地方海難審判庁)
41年5月31日 第二審裁決言渡

法律等の動き

5月12日 船員法改正公布
労働時間・安全、船内衛生等の改正、また、漁船の一部にも適用となる
5月16日 海難審判法一部改正
(行政事件訴訟法施行に伴う改正) 行政事件訴訟法中に「執行停止」に関する規定が設けられたため、本法の規定を廃止
9月15日 海難審判法一部改正
(行政不服審査法施行に伴う改正) 海難審判庁の裁決に対する不服申立ての制限規定を設ける

組織等の動き

2月 横浜地方海難審判庁、同理事所が中区北仲通りの横浜港湾合同庁舎に移転
3月28日 高等海難審判庁、海難審判理事所が築地の合同庁舎に移転
8月 長崎地方海難審判庁、同理事所が松が枝町の長崎港湾合同庁舎に移転

世の中の動き

サリドマイド奇形児問題化
東京にスモッグ続き、問題化
昭和38年(1963)

主な海難等の動き

2月26日 機船りっちもんど丸機船ときわ丸衝突事件発 生(38tk038)(神戸港外)、と きわ沈没、旅客等 47人死亡
8月27日 裁決言渡(神戸地方海難審判庁)
39年9月24日 第二審裁決言渡
6月7日 最高裁判所、機船文丸・汽船第二拓南丸衝突事件で東京高等裁判所の「原告に係る部分を取り消す」原判決を破棄、差戻しの判決言渡す
10月23日 東京高等裁判所、請求棄却の判決
11月6日 東京高等裁判所、「機船三協丸・機船阿蘇丸・機附帆船第一丸衝突事件」で原告当事者の口頭弁論不出頭につき民事訴訟法第238条の取下効果発生による取下決定

法律等の動き

3月15日 船舶安全法改正公布
1960年海上人命安全条約批准に伴う受入れ整備等の改正
4月4日 船舶職員法改正
電波法改正各公布、改正により法的に船舶通信士を1名まで減員可能となる

組織等の動き

なし

世の中の動き

2月20日 北九州市発足
11月22日 ケネディ米国大統領、ダラスで暗殺
昭和39年(1964)

主な海難等の動き

5月30日 東京高等裁判所、汽船金剛丸・機附帆船三光丸衝突事件で請求棄却の決、原告、最高裁判所へ上告

法律等の動き

6月1日 水先法改正公布
免許要件2年を3年に改める
7月7日 海上衝突予防法改正公布
レーダー航法規程を追加

組織等の動き

9月 広島地方海難審判庁、同理事所が宇品町の独立庁舎(新設)に移転

世の中の動き

4月1日 海外渡航自由化
10月1日 東海道新幹線、東京~新大阪間開業
10月10日 第18回オリンピック、東京大会開催
昭和40年(1965)

主な海難等の動き

5月23日 機船ヘイムバード桟橋衝突事件発生 (42tk007)(室蘭港、衝突後、原油流出して即・火災となった事件)船体焼損・10名死 亡
41年12月14日 裁決言渡(函館地方海難審判庁)
44年11月29日 第二審・裁決言渡
8月1日 機船芦屋丸機船やそしま衝突事件発生 (42tk072)(大阪港、港内での曳船と遊覧船の衝突海難)やそしま転覆沈没・乗客20人死亡
42年12月14日 裁決言渡(神戸地方海難審判庁)
44年11月8日 第二審・裁決言渡
8月5日 機船海藏丸火災事件発生(43tk029)(ペルシャ湾アル・カフジ港、原油積荷中の火災事故、神戸理事所の理事官が現地出張・調査)船体焼損・14 人死亡
43年6月20日 裁決言渡(神戸地方海難審判庁)
44年11月8日 第二審・裁決言渡
10月7日 機船第三永盛丸外6隻遭難事件発生 (41yh022)(マリアナ海峡、台風に遭遇した漁船の集団海難)船体沈没3隻・行方不明4 隻・2人死亡
207人行方不明
42年3月30日 裁決言渡・確定(横浜地方海難審判庁)

法律等の動き

なし

組織等の動き

6月6日 高等海難審判庁、海難審判理事所、霞ヶ関の合同庁舎1号館(農林省別館8階)へ移転

世の中の動き

6月22日 日韓基本条 約調印
7月1日 名神高速道 路全線開通